昭和7年には,臨時水道部は事業の遂行とともに残務整理の準備を始めた。3月31日には任務の終了した鉄管試験所工営所を閉鎖し,工手や職工など11名を解雇した。その後,竣功式を挙行した月の7月31日付で,45名を「御用ずみ」(解雇)した。そしてつぎの日である8月1日付で29名の解職があったが,この者たちは7年8月2日に残務整理が命じられ8年3月31日まで勤務をつづけた。職種は技師長1,書記7,技師3,技手7,雇10で,解散時点の臨時水道部職員は,つぎのようである。
解散時の臨時水道部職員
顧問 茂庭忠次郎
嘱託 大口章次・大森茂・海老沢民之助
水道事務所
技師長 岡田卯之助
庶務課
課長(市庶務課長) 谷伴夫
書記主任 高橋六郎・田所熊次・荻谷温
雇 関根福松・石川玉吉,給仕 内田この,臨時雇 清水敏夫
経理課
課長(市収入役) 山口新
書記 植木安五郎・住谷三次郎
雇 斎藤喜久治・田崎三四生・深谷鹿之助・大高鉄次・後藤周由・後藤良与・桐原俊之助・大橋又○・古沢謙
工務課
課長(市土木課長)後藤直彦
書記 菅原直蔵・寺門信一
技手技師主任 原芳男
雇兼技手(試験所)松本辰一
雇 隅田秀男・海老原忠・福田豊三郎・稲野辺信
工手 岡崎利次,臨時工手 伊村栄一郎
浄水場工営所
技手主任 佐藤謙輔
書記 坂場時尹
技手 木島繁・鈴木銀太郎・大沢浩之助・沢田金次郎・瀧原胞衣蔵・三井義男・中島金四郎・田所重治・小林金平・坂本義一・長谷川任三・山口耕一・橋本常三郎・串田岩吉・沢田忠次郎・広川善介・杉山元史・阿久津貢・福島謙・原田要介・大場庄一・橘定正志・皆川勝男・中村繁之介
配水塔工営所
技手主任 後藤鶴松,技手 斎藤治男・鈴木重信・塚本捨次郎・渡辺寿男
工手 小野瀬勝男・石川義明・寺島関蔵・佐藤留吉・森静雄・中村留吉
鉄管布設工営所
技手主任 伊藤金太郎,技手 永島 徳
雇 成田義夫・菅又昌太郎・神保友雄・石川重太郎・大井昇・出沢孝之助・佐々木養七・岩間巌・佐藤寅吉
鉄管試験所工営所
雇兼技手(工務課)松本辰一
工手 斎藤秀吉・梶野元吉・三村静
職工 後藤重文・堀越専次郎・関誠・高垣寅雄・海老沢武三・小川邦雄・川島昇・鶴田武重
嘱託1であり,そのうち書記6,技手3,雇6は,8年10月段階で水道課の職員となっている。
水道課は昭和7年7月27日に改正された水戸市役所庶務規程によって,土木課内にあった下市水道係をも含めて,水道庶務係,給水係,徴収係,集納係,材料係,工務係,工事係,浄水場係の1課8係として新設された。
つづいて,水道に関係する諸規程が,7月より翌8年3月までにかけて整備される。とくに,8年の3月31日には諸規程の改正があり,新たな体制が完成している。それまで適用されていた臨時水道規定も,庁達第29・30号によって新設の水道課規定として準用されることになる。
臨時水道規定準用ノ件(昭和8年3月31日庁達第29号)
左記規定名称中「臨時水道」トアルヲ「水道課」ト改メ昭和8年度ヨリ当分ノ内右規定ヲ準用ス
記
1 臨時水道収支証明規定(昭和5年11月12日庁達第1号)
1 臨時水道予算整理心得(昭和5年11月13日庁達第2号)
1 臨時水道日給者給料支出日ノ件(昭和5年12月4日庁達第3号)
1 臨時水道物品出納規程(昭和5年12月10日庁達第6号)
1 臨時水道物品類別単位呼称(昭和5年12月10日庁達第11号)
1 臨時水道材料規格(昭和6年1月31日庁達第13号)
1 臨時水道物件購買売払及貸借規程施行規則(昭和6年3月20日庁達第16号)
臨時水道規定改正並準用ノ件(昭和8年3月31日庁達第30号)
左記規定中別紙ノ通一部改正シ昭和8年度ヨリ当分ノ内右規定ヲ準用ス
記
1 臨時水道工事施行手続(昭和5年12月3日庁達第3号)
1 臨時水道傭員規程(昭和5年12月10日庁達第9号)
1 臨時水道供給人夫使役手続(昭和5年12月22日庁達第12号)
1 臨時水道紹介所人夫使役手続(昭和6年2月1日庁達第14号)
1 臨時水道鉄管類受渡手続(昭和6年2月13日庁達第15号)
記
1 規定名称中「臨時水道」トアルヲ「水道課」ト改ム
1 規定中「技師長」又ハ「水道工務課長」トアルヲ「水道課長」ト「水道経理課長」トアルヲ「会計課長」ト「水道庶務課長」トアルヲ「庶務課長」ト改ム
市会議員によって組織され,水道布設事業を遂行してきた水道臨時委員会(工務・庶務・経理の3部会)にかわった,水道常設委員会の規程が昭和7年2月27日に市会で議決され,翌8年4月17日には改正議決されて,同日施行された。
水道常設委員規程(昭和7年2月27日市会議決昭和8年4月17日改正議決)
第1条 本市水道ニ関スル事務ノ為メ市制第83条ニ依リ水道常設委員ヲ置ク
第2条 委員ハ7名トシ市会議員中ヨリ市長ノ推薦ニ依リ市会之ヲ定ム
第3条 委員ノ任期ハ市会議員在職期間トス
委員中欠員ヲ生シタルトキハ之ヲ補充スルモノトス 但シ補欠員ノ任期ハ前任者ノ残任期間トス
第4条 委員ノ職務概目左ノ如シ
1 水道施設ニ関スルコト
2 経費予算ニ関スルコト
付則
本規程ハ昭和8年4月17日ヨリ之ヲ施行ス
このようにして新設された水道課の8年10月現在での各係の職員は,つぎのように庶務係が5人,給水係が2人,徴収係が4人,集納係が8人,工務係が2人,工事係が2人,浄水場係が3人で主事を含む27人である。これ以外には,昭和2年4月14日の下市水道時代からの水道監視で給水取締を兼ねた役割をもつ4人がいた。なお,浄水場主任は,昭和9年7月3日に海老沢民之助が任命されるまでは,工務係主任の兼務であった。
その職員には,他の職場と異なり現業部門が多くあったため,昭和7年10月1日に庁達第25号で「水道被服々制」が,表のように制定された。これは内勤の事務系以外の職員用で,職種により明確に区別されている。同時に「臨時水道傭員被服貸与規程」「水道臨時被服給与及貸与規程」「水道職工・工夫被服貸与規程」は廃止され,新たに「水道被服給与及貸与品規程」が告示された。帽子・夏服・冬服・外套は給与品とされ,使用期間満了後には本人に支給された。帽章,被服鈕釦,水道監視手帳は貸与品とされ,転退職時には必ず返納するものとされた。
なお,水道課には,市役所内部全体に適用される文書編纂種別以外に,庁中達によって文書の種類と保存年限が明示された。これは昭和20年までは完全に守られ,第1種永年保存とされた文書は現在でも整理されて存在する。
水道使用料集納事務取扱手続 昭和7年10月1日改正 昭和8年3月31日庁達 昭和9年4月25日改正 昭和10年3月29日改正
第1条 水道使用料其ノ他ノ集納事務ハ本手続ニ依ル
第2条 集納員ノ担当区域ハ市長之ヲ定ム
第3条 集納員其ノ職務ニ従事スル場合ハ常ニ水道吏員章ヲ佩用セシムルノ外集納係員証票(第1号様式)ヲ携帯セシム
第4条 集納票ハ水道課ニ於テ毎月13日迄ニ作成シ之ヲ集納票受授簿(第2号様式)ニ依リ収入役ニ送付スヘシ
第5条 収入役ハ前条集納票ヲ集納員ノ管区別ニ区分シ且集納予定日別ニ分別整理スヘシ
第6条 収入役集納票ヲ交付セムトスルトキハ各集納票ニ職印ヲ押捺シ集納票整理簿(第3号様式)ニ私印ヲ徴スヘシ
前項集納票整理簿ハ毎日之ヲ整理シ且毎月末日残票ト照査ノ上月計並累計ヲ付スヘシ
第7条 集納員ニ於テ集納ノ為集納票ヲ庁外ニ持出サムトスルトキハ持出票(第4号様式)ニ記入捺印ノ上之ヲ収入役ニ提出スヘシ
前項持出票ハ之ヲ管区別ニ区分編綴シ収入役ニ於テ少クモ6月以上保存スヘシ
第8条 集納員ハ集納票ニ依リ水道使用料ヲ収受シタルトキハ領収証書ニ集納印(第5号様式)ヲ押捺ノ上直ニ納入ヘ交付スヘシ
集納員ハ如何ナル事情アルモ正規ノ領収証書ニ拠ルノ外仮証を発行スルコトヲ得ス
水道料金ヲ即納セサル者アルトキハ集納員ニ於テ其ノ事由並納入予定日等ヲ集納票ニ記入スヘシ
第9条 集納員ハ毎日規定時限迄ニ帰庁シ集納票精算書ヲ作成ノ上之ニ現金並集納票(第6号様式)ヲ添へ収入役ニ提出スヘシ但シ平日午後3時迄,土曜日ハ正午迄ノ分ヲ納付書(第6号様式ノ2)ニ現金ヲ添ヘ市金庫ヘ之ヲ払込ミ其ノ領収証ハ当日中収入役ニ提出スヘシ
前項但書ニ依リ市金庫ニ払込ミタル現金ニシテ過誤納アルヲ発見シタルトキ必ス次回ハ払込ノ際交互計算ヲ為シ払込書ニ其ノ旨付記スルコトヲ要ス
集納員ハ如何ナル事情アルモ集納票又ハ現金ヲ自宅ヘ持帰ルコトヲ得ス
第10条 収入役ハ納入者ノ移転其ノ他理由ニ依リ集納票ノ返付ヲ受ケタルトキハ左記ニ依リ処理スヘシ
1 納人市内移転ノ場合ハ其ノ管区担当者ニ交付スルコト
2 納付予定日変更ノ場合ハ其ノ旨水道課ニ通知シ集納票ハ当該期日迄担当者ヲシテ保管セシムルコト
第11条 収入役左ニ該当スル集納票ノ返付ヲ受ケタルトキハ其ノ職印ヲ抹消シ集納票受授簿ニ依リ水道課長ニ送付スヘシ但シ第3号ニ該当シ軽易ナルモノハ抹消ヲ省略スルコトヲ得此ノ場合ハ集納票受授簿ヘ必ス『抹消省略』ノ旨付記シ受授ヲ瞭ニヘシ
1 納人市外ニ移転其ノ他事由ニ因リ集納不能ニ帰シタルトキ
2 翌月5日迄ニ未収ニ終リ且其ノ後3回以上督促スルモ納入ニ至ラサルトキ
3 集納票ノ誤記ヲ発見シ又ハ相違ノ点在リテ集納不能ノトキ
前項集納票ハ水道課ニ於テ別ニ集納票整理簿ニ依リ整理スヘシ
第12条 収入役ハ毎日収納済集納票ニ依リ遅クモ翌日中集納成績日表(第7号様式)ヲ作成シ之ヲ第9条領収証其ノ他ト照合ノ上市長ニ報告スヘシ
収納済集納票ハ之ヲ一括シ集納日表(第8号様式)ヲ付シ水道課ヘ送付スヘシ
但シ本集納票ハ収入役ノ管守トス
第13条 水道課長ハ毎月集納成績日表ニ依リ翌月5日迄ニ集納成績月報(第9号様式)並収入成績表(第10号様式)ヲ作成シ収入役ヲ経テ之ヲ市長ニ報告スヘシ
付則
第14条 本手続ハ昭和7年度分ヨリ之ヲ施行ス
水戸市水道集納員手当支給規程(昭和7年10月1日告示第64号)