ヨーロッパ風の装飾が施され、目を引くこの建物。いったい何だろう。そう思いながら前を通る人も多いのでは。昭和七年(一九三二年)にできた低区配水塔は、浄水場から下市方面に給水する中継点として造られた。今では水圧調整の施設に役目を変えたが、なお現役である。
設計した水道技師の後藤鶴松は、この配水塔の竣工式の日生まれたわが子に「塔(と)美子(みこ)」と名付けたというほど、この建物に情熱を注いでいた。優美な姿は、建設直後から評判になったという。昭和六十年には近代水道百選に、平成八年には国の登録文化財にも選ばれた。
敷地は公園となっており、竜頭栓の水飲み場は子供たちに人気。暖かい日には、ベンチに座ってゆっくりと建物の造形を眺めていたい。

