解題・説明
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①大正九年の尼港(にこう)事件の犠牲になった水戸二連隊の将兵を駅頭に迎えたときから、昭和七年の満州出兵と帰還、同十二年の中国出動と帰還、さらに北満移駐、またその間の将兵の入営・出征・帰還など、十五年に及んだ長い戦いの歳月、この駅舎はそのつど、駅頭で織りなされる人間の喜びと悲しみの情景を見続けた。昭和二十年八月一日から二日に及ぶ水戸空襲の夜、B29の爆撃で焼き壊された。写真は昭和六年四月十七日、自動車と人力車が互いに道を譲り合って走っていた水戸駅前広場。駅舎の屋根と跨線橋の間には、千波湖を越えて吉田神社の森も見渡される。
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