解題・説明
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①②③①は水戸駅発の上り貨物列車。その先頭で豪快に黒煙を上げ、白い蒸気を吹き出してばく進して来るD51のたくましい姿。昭和三十年三月にD51を撮影した貴重な写真の一つである。そして、SLがまさに越えようとしている踏切を反対側から見たのが、昭和三十三年撮影の③。自転車の来る後ろが千波一帯で、この踏切は千波舟付に通じていた。あまりにも機関区に近い位置にあり、機関車や車両の入れ替えが激しく、なかなか開かなかったので通称「開かずの踏切」といわれた。踏切の右わきには、大谷(おおや)石を積んだ製氷会社(写真②)があり、当時、氷水や冷蔵庫の氷から救急用の氷までを扱っていた。現在は踏切も製氷会社も、その姿を消している。
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