七月二十一日(火)

n20_062     n20_062
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[表]
明治四十一年 七月二十一日 火 午後八時―九時
本郷森川町壱柳瀬方
  小宮豊隆様
  牛込早稲田南町
  七
   夏目金之助


[裏]
 只今春陽堂来る。十六頁程多しと云へり要するにプロフエソーの批評は 獨乙のプロフエソーは蒟蒻問答プロフエソーの人物の如きもので の様ナ愚論ヲシテ居ルノデハある。自分が知らない水練 ナキカ。の批評を講堂ですると同じである。彼はかれの力学をすぐ実際に応用出来ると思へり。それすら乱暴也。況んや其力学の頗る覚束なきをや