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夏目漱石書簡
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明治43年(1910)
六月二十三日(木)
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[表]
明治四十三年 六月二十三日 木 午前九時―十時
本郷森川町壱小吉館
小宮豊隆様
麹町区内幸町胃腸病院
夏目金之助
[裏]
本二十三日の柴漬にアプリルフールとあるが英語ではエープリルフールと云ふので、四月をアプリルなんて発音されては文芸欄坦任の漱石の英学者としての名前に関る。元来独乙語なら独乙語でいゝからアプリルナールとでも書いたら好いぢやないか。何を苦しんで半解の英語なんか振り舞すのだか要領を得ない。病院も病人にも左右の両隣にも変化なし。
草々
六月二十三