三月十九日(日)

n209_073     n209_073
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[表]
明治四十四年 三月十九日 日 午後八時-九時
本郷森川町一小吉館
 小宮豊隆様
  牛込早稲田南町七
   夏目金之助


[裏]
文藝欄編輯の件と小説原稿料の件に付ては懇々森田に話したる事あり、其懇々が未だ君に伝つてゐぬためあんな長い手紙を書く必要が起つたのぢやないか、もう一遍森田に会見して僕の意思を聞いて見給へ、うちへ来れば僕が話してもよし。
森田が小説を書き出したら編輯を君がする事森田にも僕にも便利也。たゞし(報酬問題としてなら猶相談の余地あらん)手紙にてすぐ確定しがたし