六月十三日(木)

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[表]
消印午後10時-11時
青山南町六の一〇八
小宮豊隆様
   本郷曙町
   十三
     寺田寅彦


[裏]
拝復 大正元年の日記はありましたが大部分記事なしで分りかねます、弐年のも明治四十三四年頃も日記がなくて残念です、」 元年三月十七日雨が降つたら先生と上野の美術新報主催の展覧会へ行く御約束をしてあつた、天気ならば水産講習所へ網の試験をしに行く筈であつた、処が朝天気が怪しかつた為電話で講習所へ聞いたら待つて居るといふから遥〻出かけて行つたがとう/\試験はおやめになつて帰つて来た、帰りに神田で風呂桶を買つたりタカラ亭で飯をくつたりして上野へ行つた。後で聞いたら果して先生と君とが午前に僕を誘いに来て下さつたとの事であつた」
以上は日記で見付けた一つの事件ですが其れに関した手紙はありませんか」 四十五年の正月元日には東洋城君が大礼服で支那の勲章をかけて来た、草平君が気焔をはき三重吉君が寝入つた