行橋平野南部に分布する最高位の段丘面で、更に南方の中津・宇佐平野では広くみられる。本段丘面は英彦山・犬ケ岳山塊を取り巻くように分布することから、耶馬渓層および筑紫熔岩からなる山地の開析によって山麓に形成された最初の段階の扇状地と考えられるが、その後の浸食により丘陵状の地形を呈する。
H1面を構成する堆積物は最大径八〇センチメートル、平均径一〇~二〇センチメートルの分級のよくない安山岩円礫からなる礫層を主とする。砂層をレンズ状に挟み、また花崗岩礫も含む。この砂礫層は一〇メートル前後の厚さを持つが、全体が完全にクサリ礫となっており、赤色化も著しく、7.5R4/8の色調を示す礫も多い。