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(4) 中位段丘(M2)面

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 本面はより高位の段丘面を取り巻くように平野全域に分布する。北部では主として海成段丘、南部では扇状地の形態をとる。高度は海成段丘の部分では八~一五メートルで、非常に平坦である。それは苅田町与原、片島、延永、下崎、長井などに典型的にみられ、特に与原、長井のM2面は砂州として形成されたようである。祓川沿いではM2面はM1面の浸食面としてみられるが、飯岳山―御所ケ岳北麓の勝山町大久保を中心とする地域や城井川沿いでは扇状地として分布する。今川沿いでは犀川町本庄にみられるが、本流沿いにはない。
 飯岳地塊列以北の平野北部では一~二メートルの厚さで火山灰がみられ、南部ではそれが不明瞭である。大久保では最大径二〇センチメートル、平均径五~一〇センチメートルの変成岩・花崗岩亜円礫からなる礫層上に一七〇センチメートルの厚さで火山灰がのる。それは下位から二〇センチメートル厚のラピリ層、五〇センチメートル厚の白色粘土質火山灰層、一〇〇センチメートル厚で下部に一~二センチメートルの球殼体を持つ橙褐色軽石質火山灰層で、M1面にみられる火山灰層と全く同じである。すなわち阿蘇4火砕流はM2面までのっている。
 一方南部ではM1面と同様に火砕流堆積物は分布しない。長井では最上部二〇センチメートルの腐植層の下に四五センチメートルの厚さで上部にクラックを持つ砂質ローム層がある。その下位は粗砂~中砂である。この砂質ローム層は阿蘇4火砕流に伴う降下火山灰と考えられる。同様なローム層は稲童や椎田でもみられ、M2面までの段丘面は、七・五万年前以前に形成されたと考えることができる。