一般に、山地と平地の中間的な地形で、比高三〇〇メートル程度以下で、開析は進んでいるが、背面が著しい定高性を示すものを丘陵と呼んでいる。このような定義で山地と丘陵地の区別をすると、丘陵地は丘頂部の緩斜面ないし平坦面、丘腹斜面、開析谷沿いの小段丘面、丘麓緩斜面、谷底面を含む複合的な地形単位となる。
豊津町の地形で最も海抜高度が高いのは、今川と祓川の間の、京都ゴルフ場南方の採石場のある二〇五・三メートルの峰である。また、祓川と城井川の間は豊津町、犀川町、築城町の三町界にある二〇三・二メートルが最高である。いずれも、比高が二〇〇メートル以下であり、開析のされ方、なだらかさなどからみて、山地とするより、丘陵地としたほうが妥当である。
豊津町の丘陵地は、犀川町の本庄池南方から東南東方向に築城町伝法寺までの線を境として、傾斜が急変地する。これより北方は緩やかに行橋平野に向かって傾き、その頂部も平坦面的な緩斜面である。今川と祓川の間の地域では、上荒谷付近で、丘陵地から台地に変わる。また、祓川と城井川の間では、光冨から北東方向へ築城町船迫、安武を結ぶ線までが丘陵地で、それ以北が台地部、以南が丘陵地である。丘陵地は、更に台地の北端部の行橋平野低地部で、残丘状に点在し、矢留の丘陵、かつての八景山、覗山から元永に至る残丘群、沓尾山、蓑島山、二先山などへ連続する。
豊津町の丘陵のうち、築城町との境界に位置する一六三・一メートル峰から北へ一三五・二メートル峰付近までは丘頂緩斜面~平坦面を示している。