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一 春

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 二月中旬になると気温はゆっくり上昇を始め、福岡の日最高気温は一〇℃を超えるようになり、三月下旬までは時々寒の戻りを繰り返しながらしだいに暖かくなっていく。西高東低の冬型気圧配置はしだいに少なくなって、日本付近を移動性高気圧と低気圧が交互に通り、天気は周期的に変わるようになる。
 春といえば穏やかな季節という印象があるが、日本の上空にはまだ冬の寒気が残り、春の大雪、春の嵐など天気や気温の変化が激しい季節である。春一番は、立春から春分までの間に広い範囲で初めて吹く南よりの暖かい強い風であるが、海難、なだれ、フェーンによる大火、突風による被害など大きな災害を引き起こすことがある。福岡県をはじめ、九州地方北部の春一番の平年値は二月二十三日である。また、二月から三月にかけては、太平洋側で大雪となることがあり、春の大雪と呼ばれている。
 また、春は移動性高気圧に覆われる日が多く、一年中で最も空気の乾燥する季節でもある。春がすすみ、五月中旬になると夏日も現れて、日中は汗ばみ、初夏を感じるようになってくる。