気温や降水量などが、季節の平均状態から大きくずれると、干ばつや冷夏になり、社会に大きな影響を与える。昭和五十三年は平年より一五日も早く七月三日に梅雨が明け、昭和二十六年以降最も暑い夏になった。このため、水不足が深刻化し、福岡県の干ばつによる農作物の被害は一七億円を上回った。一方、昭和五十五年は、梅雨明け後、梅雨の戻りの状態になり、八月の雨日数は二一日、晴れの日数は四日と梅雨のような夏になった。福岡県をはじめ九州北部各県では夏の低温・長雨・多雨・日照不足によって農作物をはじめ、社会生活全体に大きな影響を与えた。両年の比較を第2表で示す。
第2表 福岡の昭和53年(1978)暑夏と昭和55年(1980)冷夏の比較(福岡管区気象台 1990)
真夏日 | 熱帯夜 | 夏(6~8月)の平均気温 | 8月の | ||
晴日数 | 日降水量1ミリメートル 以上の雨日数 | ||||
昭和53年 | 79日 | 39日 | 26.9℃ | 21日 | 8日 |
昭和55年 | 22日 | 2日 | 24.2℃ | 4日 | 21日 |
平年値 | 53日 | 19日 | 25.3℃ | 17日 | 9日 |