これら以外にも第6図に示すとおり、大平村のにごり池畔から大分県姫島産黒曜石製のナイフ形石器(3)、同池田池畔から変成岩製の船野型細石刃核(7)、同桑野遺跡から変成岩製のナイフ形石器(4)、同上の熊遺跡から安山岩製のナイフ形石器(5)、同金居塚(かないづか)遺跡から珪化木(けいかぼく)製かと思われるナイフ形石器(6)、同萱場(かやば)遺跡からも安山岩または玄武岩製の打製石斧などが出土している。豊前市では小石原泉遺跡で細石核と尖頭器が出土している。行橋市では鬼熊遺跡からチャート製のナイフ形石器一点と石核二点が出土しており、苅田町新津原山古墳群からも旧石器時代に属すると考えられるナイフ形石器や剝片数点が出土している。
また、苅田町青龍窟は、カルスト台地平尾台の石灰岩地帯に形成された鍾乳洞であるが、内部からステゴドン(東洋象)やナウマンゾウ・オオツノジカ・イノシシなどの骨が出土しており、今後旧石器時代の遺構・遺物だけでなく、化石人骨が発見される可能性もある。
第6図 京築地域出土の旧石器