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気候と地形の変化

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第四紀更新世終末まで続いた寒冷な気候も、今から約一万年前の完新世に入るとしだいに温暖になってきた。この地球規模の温暖化により山地や高緯度地方に形成されていた氷河の氷が解け始め、海水が増加して、日本周辺では津軽海峡にあった陸橋が水没し、日本海と太平洋が直接つながった。
 約八〇〇〇年前になると対馬海峡から暖流の流入が活発になり、日本海の海水温度は上昇していった。その後、海水面が更に上昇し、約六〇〇〇年前には海進現象が頂点に達した。この時期は気温が現在よりわずかに高く、海水面も三メートル前後上昇していたと推定されている。この時期以降、河川の堆積(たいせき)作用も盛んになり、縄文時代終末に起こった海退現象の結果、内陸に沖積平野が形成された。