ビューア該当ページ

倉庫

145 ~ 145 / 1391ページ
食料を貯蔵するための倉庫は、地面を掘りくぼめた貯蔵穴と高床倉庫とがある。貯蔵穴は、地表面に比べて底の床面が広くなる形態の、いわゆる袋状の竪穴である。床面は円形と方形とがあり、大きさは一~二メートルのものが多い。貯蔵方法は籾(もみ)や稲穂をそのまま積んでいる場合が多いが、籾(もみ)などを壺や甕などの土器に入れて置くこともあった。
 高床倉庫(第9図)はアジア東南部に多く見られる建築様式で、既に縄文時代中期から存在するが、弥生時代になって米倉として建築されるようになった。建物の規模は一般的に梁間(はりま)が一間で、桁行(けたゆき)が一~三間のものが多い。

第9図 高床倉庫(佐賀県吉野ケ里遺跡での復原)

 集落内にはこれらの住居や倉庫以外に、井戸や土器を焼く場所などが設置される場合がある。