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各種の埋葬施設

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弥生時代の埋葬施設には、土壙墓(どこうぼ)・木棺墓・石蓋(いしぶた)土壙墓・箱式石棺墓・甕(かめ)棺墓などがある(第10図参照)が、墓地内でのその構成は地域色がある。
 土壙墓(1)や木棺墓(2)は、各地で普遍的に営まれる埋葬施設である。土壙墓は地面を素掘りした埋葬施設であり、木棺墓は西日本で新しく始まった埋葬法で、素掘りの土壙の中に木板を組み合わせた箱形の棺を埋納するものである。西日本では後期になると有力者の墓を中心に割竹(わりたけ)形木棺も登場する。
 石蓋土壙墓(3)・箱式石棺墓(4)は、九州から山口県地域で前期からみられる。石蓋土壙墓は土壙墓に板状の石で蓋をした棺で、箱式石棺墓は蓋と四周の壁面に石を並べて棺とするものである。
 土器を埋葬施設として使用する風習は縄文時代からあるが、弥生時代になると高さ一メートルを超す大形の甕を単独または二個組み合わせて棺とする、甕棺墓(5)が北部九州で前期から盛んに営まれる。

第10図 弥生時代の各種埋葬施設