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調査経過と遺跡の概要

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当遺跡周辺は調査時には、南北に走る県道沿いに宅地が並び、その背後に水田や畑が広がるという現況になっていた。調査は、これらの水田や畑の区画整理を目的とした、農村基盤総合整備パイロット事業に伴う事前調査であった。
 試掘調査終了後、本調査は平成三年七月二十日から平成四年一月十三日までの約六か月間に及んだ。
 遺跡内の中央部には、南西から北東方向に小さい谷状の湿田が入っており、これを境に西側の調査区をA地区、東側の調査区の西半分をB地区、東半分をC地区とした。調査面積は合計四七〇〇平方メートルとなっている。
 A地区では、弥生時代の円形竪穴住居跡一棟・甕棺墓一基、古墳時代後期の方形竪穴住居跡一〇棟、古墳時代後期から中世にかけての掘立柱建物跡一四棟・溝二条などが確認され、全体としては古墳時代後期の集落跡が中心となる遺跡であった(第28図参照)。一方、B・C地区では古墳時代後期の竪穴住居跡と中世の遺構が発見された。

第28図 源左エ門屋敷遺跡A地区全景