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古墳時代の食生活

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古墳に立てられた埴輪のなかに動物埴輪や動物を伴う人物の埴輪がある。動物埴輪では鹿・猪(いのしし)・猿・馬・牛・犬・水鳥などがあり、人物埴輪には鷹匠(たかしょう)や鵜匠(うしょう)、猪の子を腰につけた人物などがある。動物埴輪のうち、鹿・猪・猿などは狩猟の対象であり、馬は主として戦闘や移動の手段であるが、重要な儀式の際には食用ともされたと考えられている。更に、牛は農耕用に飼育されていたが、その乳から「酪」や「蘇」と呼ばれる乳製品が加工されていたと推定されている。
 米の調理法は、弥生時代には甕で炊いていたが、古墳時代中期になると住居内に作られたカマドの上に甑(こしき)を載せて、蒸すようになった。また、古墳に供献された土器の中には、ハマグリやウニ、魚類などの海産物が盛られている場合がある。更に、藤原京の木簡にはワカメを指す「海藻」の文字がしばしばみられ、海産物も重要な食料となっていた。調味料では、中期に塩の生産が盛んになり、この塩と大豆を材料として味噌や醬油も造られたと考えられている。
 須恵器は、食器としての普及は後期以降である。また、須恵器は水をあまりもらさないため、大甕は水や酒の貯蔵に使われ、稲籾などの穀類の保管にも使用された。
 以上のように、古墳時代の中期以降は、豊富な食材と調理法の革新により、人々はそれ以前に比べ斬新な食生活を送ることが可能になった。