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〔甲塚方墳〕

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 甲塚方墳は北方に延びる豊津丘陵の先端近くで、八景山の南側鞍部に位置し、標高が約四〇メートルである。所在地の住所は大字国作字甲塚である。
 当古墳が所在する丘陵一帯は、弥生時代以来集落や墓地として利用されており、古墳時代に入っても祓川の沖積平野を生産基盤として、人口が集中していたと考えられ、五世紀代以降中小の古墳が多数築造されている。当古墳の北東一〇〇~二〇〇メートルには六世紀後半に築造された八景山南麓古墳群があり、かつて九基の円墳が確認されていたが、現在では七基のみ残存している。南方には、同時期の径二〇メートル前後の中型の円墳四基が一群を構成している。更に、南西約五〇〇メートルには、彦徳甲塚古墳、甲塚北古墳の二基の中型円墳がみられる。これらの中で、甲塚方墳は最大の規模を誇る方墳である。