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調査の内容

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当遺跡は旧石器時代から現代に至るまでの複合遺跡であるが、古墳時代の遺構は前期初頭ごろの方形竪穴住居跡三軒と古墳七基(第3表)・横穴墓四基などがある。遺構は全体的に上部の削平が著しく、古墳の墳丘盛り土はほとんど残存しておらず、周溝のみ検出されたものもある。
 
第3表 鋤先遺跡古墳一覧表
(単位:メートル)
遺構墳丘形態高さ周溝有無深さ時期石室の有無
石室構造長さ玄室長さ高さ玄門高さ前室長さ
番号遺物備考
1号墳墳丘楕円形不明不明周溝0.8~1.00.28時期6世紀末~7世紀初頭石室の有無
遺物須恵器(壺1・杯身4・杯蓋3・甕1)、鏃11、馬具6、刀子2備考
2号墳墳丘不明不明不明周溝0.5~0.80.1〔6〕時期6世紀後半石室の有無
石室単室横穴式石室(3.0)玄室1.740.85(0.30)玄門0.82(0.26)前室
遺物須恵器(杯身1・杯蓋1)、ガラス小玉6備考
3号墳墳丘円形不明不明周溝0.4~0.70.065時期不明石室の有無
遺物備考
4号墳墳丘円形不明不明周溝0.7~0.90.156時期不明石室の有無
遺物備考
5号墳墳丘楕円形不明不明周溝0.3~0.70.24.5時期6世紀後半石室の有無
遺物須恵器(高杯1)備考
6号墳墳丘円形?不明不明周溝0.3~0.50.123.3時期不明内部主体小石棺
遺物備考
7号墳墳丘楕円形不明0.24周溝0.2~0.80.35.5時期不明石室の有無
石室単室横穴式石室(2.1)玄室1.000.50(0.51)玄門0.48(0.31)前室
遺物鏃1備考

 3区2号墳は調査で周溝の一部と、石室の下部が検出され、周溝の規模が六メートル程度に復原される小古墳である。石室(第24図)は単室の横穴式石室で、玄室は長さ一・七四メートル、幅〇・八五メートルの縦長の長方形をなし、床面には扁平な礫と小礫を敷き詰めている。玄室の奥壁と側壁には長さ六〇センチメートル前後の腰石を置いている。玄室と羨道の境の床面には框石を置く。羨道は長さ一・二メートルが残存し、幅は奥で〇・八二メートルである。
 0区1号横穴墓は祓川の段丘斜面に掘削した横穴墓で、全長三・四メートル。玄室は長さ一・七メートル、幅一・七メートルで、床面は隅丸方形をなし、円礫が敷き詰められ、中央に排水溝を持つ。玄室からは成人男性の人骨が検出された。
 住居跡は三軒とも方形をなし、2区1号住居跡がベッド状遺構を持ち、床面が幅二・五メートル、同2号住居跡がほぼ正方形で三・五×三・四メートル、3区1号住居跡が床面幅三メートルと、すべて小型の竪穴住居跡である。

第24図 鋤先遺跡3区2号墳石室実測図