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彦徳横穴蟇群

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今川が犀川の盆地から京都平野に出る丘陵開析部の東側で、平成筑豊鉄道の豊津駅南東部の丘陵上部斜面に分布する。
 横穴墓は標高約四〇メートルのこの丘陵南東側と北西側の斜面に営まれている。数百基あるが、そのほとんどが盗掘され、二基のみが土取り工事の際に緊急調査された。調査によって出土した遺物には、須恵器の杯や高杯、鉄鏃・刀子、耳環・水晶製勾玉・ガラス小玉などがある(第26図)。この二基の築造時期は六世紀後半であるが、遺跡全体としては五世紀から七世紀まで継続して営まれたものと思われる。

第26図 彦徳横穴墓出土装身具