ビューア該当ページ

大塚南古墳群

295 ~ 296 / 1391ページ
大塚北古墳群の南側に連続する古墳群で、一〇基の円墳が密集している(第27図参照)。すべて盗掘され、開口している。築造時期は六世紀中ごろから七世紀前半であろう。
 1号墳は通称「関のゴウヤ」と呼ばれ、墳丘が直径約二〇メートル、高さ約四・五メートルを計るやや大型の円墳である。内部主体は複室の横穴式石室で、巨石を使用し、玄室の壁石のすき間には粘土の目張りが残る。六世紀後半代の築造と考えられる。
 4号墳は墳丘が直径約七メートル、高さ一・三メートルの円墳で、単室の横穴式石室と考えられる。石室内部からは、人骨とともに水晶製切子玉・碧玉製管玉などが出土している。
 6号墳は直径約一二メートル、高さ二・五メートルの墳丘を持つ円墳である。内部主体は単室の横穴式石室で、玄室床面が長さ約三メートル、幅約二メートルで、側辺がやや胴張りする。石積みは、奥壁では腰石上に角礫を五段持ち送りぎみに積み上げ、右側壁では小さな角礫を七段積み上げる。石室内からは須恵器の提瓶や鉇が出土している。六世紀中ごろの築造と考えられる。