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山口古墳群

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福ケ迫古墳付近から南方に延びた支丘の東側斜面に密集する古墳群である(第27図参照)。一一基が確認されているが、未掘墳一基を除けばすべて盗掘を受けたり、破壊されている。
 2号墳は墳丘が削平されているが、石室は複室の横穴式石室である。玄室は長さ約二メートルで、幅は奥壁側で一・八メートルである。前室は長さ・幅ともに約一・一メートルである。埋土が厚く堆積するが、腰石は大形の石材を使用するようである。築造時期は六世紀後半と考えられる。


第27図 節丸地区の古墳分布図

 6号墳は直径約一一メートル、高さ約三メートルの当古墳群中最大の円墳である。石室は複室横穴式石室である。
 以上、豊津町内の確認された古墳について概要を述べたが、未調査のものがほとんどで、墳丘の規模や形態、更に石室の規模などは必ずしも正確なものではない。特に石室の構造については単室と表記したものが多いが、しばしば盗掘による開口部から盛り土が大量に流入しているため、前室を確認しにくい場合が多い。また、前室が未発達で玄室や墓道部分との幅や高さに変化が少ない場合もあり、町内の古墳全体としては北垣古墳群のように単室に比べ複室構造の古墳のほうが多いとみられる。
第4表 節丸地区の古墳群一覧表
番号遺跡名種別内容
1在馬古墳群古墳群円墳6基以上。墳丘の直径が4~10メートル程度の群集墳。
2大塚北古墳群古墳群円墳5基以上。墳丘の直径が7~12メートル程度の群集墳。
3大塚南古墳群古墳群円墳10基以上。1号墳は直径約20メートルの中規模古墳。
4古墓山古墳円墳直径20メートル前後の中規模古墳。ゴルフ場建設などにより消滅。
5永迫古墳円墳直径約10メートルの小円墳。主体部は単室の横穴式石室。
6福ケ迫古墳円墳主体部は単室の横穴式石室。
7山口古墳群古墳群古墳11基以上。9号墳・10号墳・11号墳は破壊が著しい。
8北垣古墳群古墳群古墳時代の古墳9基・小石室等4基のほか、弥生時代の墓地もある。
9白鳥古墳群古墳群古墳5基以上。1~3号墳は破壊が著しい。4号墳は直径約12メートル。
10古門山古墳群古墳群円墳5基以上。2号墳・5号墳は墳丘・石室が完存。2号墳は直径11.5メートル。
11椎ノ木古墳群古墳群古墳3基以上。3号墳は破壊が著しい。1号墳は直径10メートル。
12峯ケ辻古墳古墳墳丘は消失。
13火垣古墳群古墳群円墳2基以上。