窯跡の位置は、11号横穴墓の玄室の五メートル上部の法面最上部である。標高二八~二九メートル前後にあたる。窯は椎田道路の法面境界線上にあって、試掘の折に窯本体の焚口の一部を検出した。このことを受けて、二×一〇メートルの二〇平方メートルを地権者から急ぎ借り上げて、窯本体の発掘調査を実施した。窯は主軸をN-45°-Wにとり、焚口は西方向である。煙出しは東にとる。大きさは全長六〇〇センチメートル・幅一二〇センチメートルを測り、半地下式の窯である。窯本体の平面形は、焚口が若干細身であるが、本体はずん胴を呈している。最大幅は窯の最奥部で一二〇センチメートルを測る。焚口は一〇〇センチメートルで、法面のために前庭部の広がりはない。
第43図 居屋敷窯跡(福岡県教育委員会提供)