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窯内遺物の出土状況

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床面から大甕破片・完形の〓が出土している。〓は床面より三〇センチメートル浮いた状態で、口を東側に横転したような形で検出されている。土層的には三次の操業床面に横たわっていたもので、焼成時の砂床が三枚ほどみられる。創業時の床面に密着して大甕破片が出土したことから理解できる。大甕の破片は床面に密着したものと、若干浮いた状態のものもみられ、置台の可能性が大である。破片に番号を付して、その動きを追うと、窯東壁奥から焚口付近まで破片の移動がみられる。その遺物は大型甕の口縁部とスタンプをもつ甕がそれである。他にも扁平な河原石が焼台として使用されている。