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発掘調査された官道

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西海道内で発掘調査された古代道の遺跡としては、筑前国内の春日市春日公園遺跡・太宰府市前田遺跡などの大宰府―鴻臚館道、筑後国内の久留米市朝妻遺跡の西海道、同市ヘボノ木遺跡の伝馬路、肥前国内の佐賀県神埼町の吉野ケ里遺跡群や同町迎田遺跡の肥前路などがある。
 このうち前田遺跡では、路面幅約九メートル・側溝幅約二メートルの奈良時代の直線道路跡が一五八メートル分検出されている。吉野ケ里遺跡内の官道は、従来から佐賀平野北部を東西に走る約一六キロメートルの直線道路として想定されていた道の一部である。この道は吉野ケ里丘陵部では高さ約五メートルの切り通しとなり、道幅約八メートルを計る。官道の両側には奈良時代の掘立柱建物群が広がり、北方約二〇〇メートルには神埼郡家も想定されている。