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京都・行橋平野の条里制遺構

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条里制遺構の分布は北は秋田県から南は鹿児島県に及ぶ広い範囲にみられる。北部九州でも各地の平野部にみられるが、旧豊前国においても企救郡から宇佐郡に至る周防灘に面した平野部を中心に広く分布している。京都郡・仲津郡においては次のような地域に分布を見る(第34図)。
  (今川流域)
    山鹿(やまが)・大熊(おおくま)・本庄(ほんじょう)・古川(ふるかわ)・続命院(ぞくみょういん)地区(以上現犀川町)
    天生田(あもうだ)・大谷(おおたに)・宝山(たからやま)・流末(りゅうまつ)・寺畔・中川地区(以上現行橋市)

  (長峡川・井尻川流域)
    大野井(おおのい)・検地(けんじ)・上津熊(かみつのくま)・中津熊・下津熊・西谷(にしたに)・津積(つづみ)地区(以上行橋市)
    下久保(しもくぼ)地区(現勝山町)

  (祓川流域)
    内垣(うちがき)地区(現犀川町)、節丸(せつまる)・光冨(みつどみ)・上原(かんばる)・徳政(とくせい)・有久(ありひさ)・国作(こくさく)・惣社(そうじゃ)・田中地区(以上現豊津町)
    竹並(たけなみ)・草場(くさば)・平島(ひらしま)・馬場(ばば)・津留(つる)地区(以上現行橋市)

  (小波瀬川流域)
    草野(くさの)・延永(のぶなが)地区(以上現行橋市)
    長音寺(ちょうおんじ)・上片島(かみかたしま)・鋤崎(すきざき)地区(以上現苅田町)

 このようにこの地方の主要な河川とその支流の流域を中心に、ほぼ京都・行橋平野の全域にわたり条里制開拓が進められていたことが分かる。

第34図 周防灘沿岸部の条里制遺構