前出のように祓川左岸に広がる平野部を中心に、条里制遺構がみられるが、更に条里遺構の名残をとどめる地名は各地区に次のように残存している。
・節丸…口ヶ坪、とふ田、福町、中ノ坪、大坪、八反田、下八反田、三十田、六反田、四反田、一ッ枝
・光冨…二十田、柿ヶ坪
・上原(かんばる)…大坪、二反田、三ツ町、一ツ町
・吉岡(よしおか)…四反田、二反田、一ツ町
・綾野(あやの)…二反田、四反田、一町田、一町畑、三十田、六ツ重、三反田
・下原…(しもばる)…八反田、七反田、六反田、七ツエ、九反田、ムツエ、四丁田、九反田谷
・呰見(あざみ)…六反田、二反田
・徳永(とくなが)…中ノ坪、四反畑、壹丁田、五反田、貳反田、七ツ枝、六ツ枝
・上坂(かみさか)…八反田
・徳政…一ツ田、七反田、十七、八反田、大坪
・国作…三ツ田、八反田、口ヶ坪、七ツ江、大坪
・惣社…口ヶ坪、三反田、五反田
・有久…七反田
・田中…一ツ町、三十田、八反田、二反田、三反田、七反ヤシキ
　このように豊津町域でも古代において条里制開拓が行われていたことが分かるが、しかし坪並みを復元できるほどの条里地名も残ってはおらず、条里全体の復元はできない。