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B区の調査

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B区は指定地の北西部で、A区同様寺域を区画する施設が残存する可能性がある地区である。当調査区は、中央部から南東部にかけての広い範囲で、近世以降に攪乱を受けており、それ以前の遺構は、西辺と北半にわずかに残存していた。主な遺構としては、建物跡一棟と溝二条がある。
 SB2101は幅〇・三~〇・四メートルの溝状遺構とその内部の石列とからなる。溝状遺構はこの建物の東辺を構成し、南北方向に長さ四・八メートルが確認され、内部からは鴻臚館系軒丸瓦や法隆寺系軒平瓦(第39図)などが出土している。遺物は奈良時代から平安時代初期にかけてのものしかなく、SB2101は九世紀ごろの比較的古い建物の可能性がある。

第39図 豊前国分僧寺B区出土法隆寺系軒平瓦

 SD2101は調査区の北辺を東西に走る溝である。遺構は幅二・四メートル、深さ一・五メートル前後で、調査区外の東方と西方に更に延び、A区のSD2001と一連の溝と考えられる。