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E区の調査

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E区は、指定地の北東部に設定した調査区で、寺域の東辺や北辺を区画する溝や築地塀などの存在が予想された。当調査区の東側三メートルおよび北側一〇メートルより外側は高さ二メートル以上の段落ちとなっている。当調査区も遺構の削平が著しく、検出された遺構はすべて中世以降のものである。主な遺構としては井戸一基・溝約一〇条などである。
 SD3203は、調査区中央部のやや南側を東西に走る大形溝である。遺構は調査区外の東方と西方に延びるほか東部で南方に屈曲して枝分かれし調査区外へ続いている。溝の幅は一・八~三・四メートルで、A区のSD2001やD区のSD3002とつながる江戸時代の溝である。
 SD3201は、調査区南端部で確認した東西溝で、調査区東部で南方へ屈曲している。溝の幅は二・一メートルであり、A区のSD2004・D区のSD3001に連続する遺構である
 E区では多数の溝が確認されたが、SD3201を除くと大部分が江戸時代以降のものである。