第46図 豊前国分尼寺跡発掘調査全景
調査によって検出された遺構は、五~三〇センチメートル程度の礫と瓦や土器片を多量に内包する径約二・五メートル落ち込みと、そこから北・東・南方向に延びる幅一~一・五メートルの溝状遺構がある。ただし、これらの遺構の時期は出土遺物からみて江戸時代まで下るものと考えられる。また、礎石の据え跡の可能性がある、底部に礫を持つ径一・五メートル程度の土壙も一基確認された。この遺構の時期は不明である。
尼寺関係の遺物としては、従来から老司系扁行唐草文軒平瓦の存在が知られていたが、今回の調査で新たに平安時代の細弁三七弁軒丸瓦が出土した。