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調査経過と遺跡の概要

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国分地区では、昭和六十三年度に農村基盤総合整備パイロット事業による農地の区画整理が行われることとなった。そのため、事業予定地内の削平部分について、遺跡のトレンチ調査を実施した。その結果、柱穴や溝などが検出された字正道地区に発掘調査区を設定することとなった。
 正道遺跡は、僧寺からは約二五〇メートルの距離があり、両者の間に南北に延びる小谷からは約五メートルの比高差がある。調査区はこの丘陵上平坦面の東縁部沿いで、国分墓地の南側に接する位置に設定された。調査区は畦畔を境にして、便宜的に北側を北区、南側を南区とした。調査面積は北区が六四四平方メートル、南区が七六八平方メートルで、合計一四一二平方メートルである。
 検出した遺構は、掘立柱建物跡七棟・土壙一〇基・溝二条のほかに、柱穴列と多数のピットがある(第48図参照)。出土遺物は少ないが、時期的には八世紀代以降のもので、十一世紀から十三世紀にかけてのものが多い。

第48図 正道遺跡全体図