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職制と殖産

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豊前細川藩の職制は、第8表「細川藩職制」(774ページ)として前述のとおりであるが、その内容を細かに見ていくと、元和十年(一六二四)段階では、漆渋奉行・油蠟燭(ろうそく)奉行・炭薪奉行・材木奉行・古木竹葭縄葛奉行・杣(そま)奉行・鍛冶奉行・畳奉行・白土奉行・金山惣奉行などの奉行名が散見される。藩の職制と領内の漆渋・油・蠟燭・薪炭・材木・古木・竹・葭・縄・葛・杣・鍛冶・畳・白土・金山などの殖産とが密接に職掌化されているのである。
 このような殖産諸奉行の中から、ここでは「畳奉行」を一例として見てみよう。
 江戸幕府の職制には、作事奉行の下に、「畳奉行」・「畳蔵門番人」・「畳方手代」が置かれている。作事奉行は、工作営繕の管理にあたる奉行として、寛永九年(一六三二)に新設されたものであり、重要な役職として「畳奉行」以下三職がその管掌下に置かれた。畳表は、幕府や江戸の衣・食・「住」にとって重要な生活必需品であった。