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目次
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第五編 近世
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第三章 江戸時代
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第九節 文化と宗教
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四 小笠原流
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(三) 小笠原家の家紋
当初の家紋松皮菱
1256 ~ 1257 / 1391ページ
小笠原家一族は大変繁栄し、現在日本の各地に散在している。そして、小笠原家の散在している地域では、小笠原流宗家はもちろんであるが家紋・三階菱の紋章をよく見かけるものである。この家紋・三階菱は、小笠原流とは深いかかわりがあるので小笠原家の家紋の由来について述べる。
小笠原家にとって当初の家紋は松皮菱であった。この松皮菱の由来をみると、小笠原家の祖である甲斐源氏の祖、新羅三郎義光の父源頼義が後冷泉天皇の時、勅令を奉じて奥州に安倍一族を征伐に行った際に、その出発にあたり、帝は頼義に旗の紋として「王」の字を許した。頼義はこの旗を立てて戦ったが、その後、この旗を子供の新羅三郎義光に伝えた。義光は「王」の字があまり明らかに書かれているのは恐れ多いとして、「王」の字をくずし、三本の横線の端を細くして「松皮菱」を家紋とした。
松皮菱