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十五代 小笠原貞朝

1278 ~ 1278 / 1391ページ
信濃国守護職。貞朝は、弓術の奥儀をきわめ、優れた武将であった。この時代、怪物騒動が起こり、貞朝が秘法蟆目(ひきめ)の術をもって矢を放ち、退治したという伝説が残っている。
 永正元年(一五〇四)には、一族の島立右近に命じて新たに深志に城を築かせ、これを小笠原の主城にした。貞朝は、林の館に住み、島立右近を深志城の城代として居住させた。のちの松本城である。永正十二年(一五一五)五五歳で没。
 このころは、各地に土一揆が起り、また豪族たちの争いも絶えなかった。このころの信濃国の勢力分布は、次のようになっていた。
 
 筑摩郡・伊那郡――小笠原貞朝、木曽義元、松尾城主小笠原貞忠、下条氏
 諏訪郡――諏訪政満、藤沢城主諏訪頼親
 河中島――村上頼平
 小県――海野党
 佐久郡――平賀氏