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立川ローム層

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立川ローム層とは今から約三万年前から約一万年前の二万年間に堆積した富士・箱根系の火山灰である。この層は考古学上、さらに八つの層位に分けられる。以下、宮代町で見られる土層の特徴を、耕作土から順次下層へと見ていくことにする。なお、立川ローム層は第Ⅲ~Ⅹ層が該当する。
 第Ⅰ層耕作土 黒土
 第Ⅱ層縄文時代の包含層(ほうがんそう) 黒土
 第Ⅲ層ふかふかのロームで、一般にソフトロームと呼ばれている。
 第Ⅳ層硬いロームで、一般にハードロームと呼ばれている。
 第Ⅴ層第Ⅳ層と同じく硬いローム層で色調がやや暗いため、暗色帯又は黒色帯と呼ばれている。しかし、第Ⅶ・Ⅸ層の黒色帯と区別するため第一黒色帯と称している。
 第Ⅵ層鹿児島県の姶良(あいら)火山の火山灰を含む層。姶良火山の噴火は大規模であり、その火山灰は列島全体に広く降り注いでいたことから、この層は全国的な年代対比が可能な鍵層とされている。
 第Ⅶ層第二黒色帯の上半部。色調は暗く黒に近いこげ茶色。露頭(ろとう)などを見ると帯のように見えることがある。硬くしまり粘性が強く、発掘調査ではこの層を掘るのに大変苦労する層の一つである。
 第Ⅷ層黄褐色のローム層で武蔵野台地の一部で見ることができるが、宮代町周辺ではこの層は確認されていない。
 第Ⅸ層第二黒色帯の下半部。色調は上半部よりもさらに黒くなり、硬さ粘性とも第Ⅶ層より増す。
 第Ⅹ層立川ロームの最下底部。色調は黄褐色で硬くしまった層となっている。