ナイフ形石器とは、縦長あるいは横長に薄く剥ぎ取られた石片を素材とし、その鋭利な縁辺の一部を残し、他の辺には刃潰しを施した石器である。その形がナイフに似ていることからナイフ形石器と命名された。しかし、先端が尖り平行四辺形を示すものや左右対称で尖頭器状をなすもの、先端はあまり尖らずに斜めに刃潰しを施したもの、剥片の一部に刃潰しを施したものなど、さまざまな形をしたものがあり、ナイフ形石器はひとつの機能に限定されず、先端の尖ったものは刺突具(しとつぐ)として槍の先に装着され、他のものは切截具(せっさいぐ)として使われたのではないかと想定されている。
町内では、前原遺跡と金原遺跡から発見されている。