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東粂原(ひがしくめはら)の獅子舞

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東粂原に伝わる獅子舞(宮代町指定文化財)は、現在毎年七月十六日に近い日曜日に、東粂原地区の鎮守鷲宮神社の祭礼の際に奉納されている。男獅子(おじし)・中獅子・女獅子(めじし)の三匹の獅子とひょっとこが太鼓と笛の演奏に併せて舞うものである。
 この獅子舞の由来については次のように伝承されている。(『埼玉の獅子舞』)
 「江戸時代、新田開発が行われたが、利根川が氾濫(はんらん)し、作物とれず疫病が流行した。これは新田開発により、土地の神々の怒りを招いた故と、杉戸より習いうけ獅子舞を奉納した。以後、山王様・雷電社(さんのうさま・らいでんしゃ)・鷲宮の三社に獅子舞を奉納。明治以後、三社は鷲宮神社に合祀(ごうし)され、七月十六日を祭日と定めて奉納。現在にいたる。」
 獅子舞には、川の上流から獅子頭が流れて来たのがきっかけで始まったという創始伝承(そうしでんしょう)が伴ったり、獅子頭(ししがしら)自体が竜に比定されるなど、川や水との関わり示すことが多いが、この伝承も利根川やその氾濫が伝承の基本となっているものである。

3-167 東粂原鷲宮神社の獅子舞