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発刊にあたり

宮代町教育委員会教育長 岡野義男
 宮代町の町史編さん事業も、多くの関係者のご指導ご協力をいただきながら、今までに一八冊の資料集と通史編を刊行してまいりました。それぞれ広く活用され、ご好評をいただいておりますが、ひとえに関係の皆様のお力添えの賜物と心より感謝と御礼を申し上げます。
 町内には、古くから獅子舞やお獅子様、甘酒祭りといった地域の行事、すす払いや餅搗きなどの正月行事、八月の盆行事、十五夜などからなる一年の家の行事、出産から亡くなるまでの人の一生、そして稲作をはじめとする生産生業、社寺との関係など町の特色豊かな幅広い人々の社会生活があり、それを町民の皆様からの聞き取り調査などを基に体系的にまとめたものが本書でございます。
 こうしたさまざまな行事も、戦後社会の中で大きく変化してまいりましたが、人々の思いは今なお引き継がれ地域の風土として形成されているものと言えるでしょう。そうした、風土、地域性を大切にすることが、これからのより良いまちづくりへとつながっていくものと思います。
 本書を通じて先人の暮らしの一端に触れ、私達に遺された文化遺産の大切さに思いを寄せていただくと共に、郷土に対する理解と愛着を深めていただければ幸いに存じます。
 最後に、話者としてご協力いただいた町民の皆様、丹念な調査の上ご執筆編さんにご尽力いただいた民俗部会の委員の方々、また、ご指導いただきました関係の皆様に重ねて厚く御礼申し上げ、刊行にあたってのごあいさつといたします。