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監修にあたって

宮代町史監修者 鈴木敏昭
 「宮代町史」という世紀の大編さん事業も一五年の歳月が過ぎようとしております。昨年の三月には「通史編」の刊行にこぎつけ、今回はまた「民俗編」を町民の皆様にお届けすることができることとなりました。誠に喜ばしい限りであり、ご尽力、ご協力を賜った多くの皆様に、関係者の一人として心から感謝申し上げます。
 「民俗編」は、宮代町域に伝えられてきた衣食住、生業、信仰、年中行事などに関する風俗慣習や、民俗芸能及びこれに用いられる衣服、器具、家屋などさまざまなことについて克明に調査し、収録したものであります。なかにはすでに変質したり、廃止・消滅してしまった習俗や行事などもありますが、本書をひもといていただければ、いたるところに懐かしいふるさとの点景が見られ、町民の皆様の生活の推移がたちどころに理解いただけるのではないかと自負しておるところであります。
 宮代町域は、東武鉄道杉戸駅(現東武動物公園駅)の開業をきっかけに形成された市街地と緑豊かな周辺農村から成っています。杉戸町との境を流れる大落古利根川との関わりも宮代町の歴史を語る上で忘れることはできません。宮代町の民俗は、こうした地域の歴史と文化を背景にして培われてきたものであります。「水面に映える文化都市」を将来の都市像として掲げる宮代町は、今後もさらに安らぎと潤いのある心豊かな地域づくりに邁進することと思われますが、町民の皆様には、本書から「宮代らしさ」を汲み取っていただければ幸いです。
 終わりになりましたが、資料提供者や話者の方々にお礼を申し上げるとともに、執筆に当たられた諸氏に対し、深く敬意を表し感謝を申し上げます。