田うないは、田うねとも言い、田の土を起こして田植えのできる田を作るための仕事である。三月になると始めたもので、早い家では二月の正月のお飾りが取れるとすぐ始まる家もあった。
田うないの方法は、以前は馬や牛、人力で行ったが、昭和三〇年ごろになると耕うん機を使って行うようになった。馬や牛で田おこしを行う場合、古くはオオグワを、昭和に入ってからは馬耕機を付けて行った。
田うないは、その後、四月に入って桜の花の咲くころになると、二回目の田うないを行う。このことを二番うないとか二番耕という。これに対応して、一回目の田うないを、いちぼね、あるいは一番うないとか一番耕という(以下、にぼね、さんぼねという)。
摘田で行う田では、地拵えといい、四本爪のマンノウを使って、前年の稲株をひっくり返して田を起こす。その後、雨が降った後にマンノウを使ってひっくり返した株を崩し、足で踏みこむ。その後、コスリボウで全体をこすって平らにした。