苗間に稲の種籾を播く作業を、籾振りという。籾振りは、おおよそ五月八日のお釈迦様を目安に行ったものである。東では、籾振りを行う場合、卯の日を避けたという。「卯の日にすると喰わねえ人が出る」といったものである。「喰わねえ人」とは、死者のことを指し、この禁忌を破るとその家に死者が出るということである。なお、この卯の日の禁忌は、田植えも同様とされた。
籾振りが終わると、苗間正月といって午後から半日休みの農休が出たものであった。苗間五〇日といい、籾振りから田植えのための苗取りまで五〇日間を要するとされる。