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水の管理

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 田植え後、田に水が不足すると草も生え、成育にも影響が出る。このため、水が少なくなると水車(みずぐるま)やスイコを使って田に水を入れた。東粂原のある家では、沼の近くの田には、スイコを使って水を入れるもので、用水や排水の近くの田には水車を使って水を入れていた。
 また、七月下旬から八月上旬に、土用干しといって田の水を落とした。なお、東では、昔は水を掛けっぱなしで、土用干しはしなかったという。
 用水路のかかる田では、比較的水の心配はなかったが、天水場といって雨水に依存する田を持つ地域では、雨の少ない年には雨乞いを行うこともあったという。下の谷新田では、南部用水ができるまで天水場だったので、雨が降らないと大変であった。このため、雨の降らない年には、雨乞いを行った。五社神社の弁天様の池の水を浚って、祭典を行う。雨が降ると、お湿り正月といって農家の仕事が休みとなった。
 一方、畑に稲を作る陸稲では、夏場、夕方から夜にかけて川や井戸から水を汲んで撒くこともあった。