畑うないの終わった後、麦播きのために鍬を使って畝を立てていく。畝間は二尺とる。二寸詰めて一尺八寸にする人もいるが、間に大豆を播くとき狭いと大変なので二尺とることが多い。畝を立てる目安のために、ウネツクリナワを張る。ウネツクリナワ(畝作り縄)は、長さ四尺の棒に巻き付けてあるもので、この四尺の棒を目安に畝間の長さを計った。畝の方向は、畑の形によって決める。なるべく畝の長さの短くなるような方向で立てるが、理想的には東西に立てるものである。この畝を立てる仕事は二人一組で行う。このため、ウネツクリナワのところと真ん中を畑の両端から二人が交差するように鍬を入れる形になる。
畝を立てるとその中に元肥といって肥料を入れる。肥料は堆肥と配合肥料である。以前は配合肥料でなく、自分の家で過リン酸、アンモニア、豆かす、干鰯を混ぜて作ったこともあった。堆肥は、一斗五升ざるか二斗ざるに入れ、これをショイカケナワを使って抱えるようにして持って撒く。化学肥料はコイオケと呼ばれる桶に入れて撒いた。