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サクキリ

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 麦作の最中、条播された麦と平行に畝を立てていく作業を三、四回行う。これをサクキリとかサクイレという。最初のサクキリを一番ザクとか一番切りという。これは、麦が倒れないよう麦の風除けになるように、麦の北側か西側に畝を立てるのである。だいたい一一月下旬から一二月上・中旬に行ったものである。
 二回目のサクキリを二番ザクとか二番切りという。これは、一回目のサクキリでつけた畝を反対側に移動させるサクキリである。おおよそ二月下旬以降、後述する麦踏みや土入れの後に行われるものである。
 最後のサクキリは、トメギリという。家によって、三回目のサクキリを最終にしたり、四回目のサクキリを最終にする事例がみられる。東粂原の家では、サクキリを四回行う。このため一一月から一二月初旬に一番ザク、三月彼岸ごろに二番ザク、四月初めの三番ザク、四月末にトメギリを行った。