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年間の作業

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一月
 剪定 弱い枝は短く切り、強い枝は長く切る。この剪定作業が一年間の収穫を左右する重要なものである。剪定も枝をたっぷり残す人と、うすく(少なく)する人があり、その人の考えで異なる。小林氏はうすくする方である。
 
二月初  キジメ
 
三月下旬
 花時期 ぶどうには花びらはない。花の香りが強いときは豊作である。香りはカリンに似た匂いがする。

2-15 ぶどうの花

四月中旬
 芽掻き(芽揃い) 樹勢をみながら、開花直前までに葉と葉の重なりをなくして明るくする。葉が重なると三割の減収になるという。枝の下に新聞紙を敷いて、半分が蔭、半分に光があるといい。開花までにこの作業を二~三回行う。
 
四月末
 セイケイ(テキセイ=摘穂) ぶどうは自家受粉なので、交配作業はないが、一房に二五~三〇粒を付けさせるので、初めに付いている粒を三分の一くらい残すようにする。
 
五月中旬
 摘房 一枝二房になるように、大きく丈夫そうな房を残して剪定する。
 
六月
 摘粒 一房が二五~三〇粒になり、形良く生育するように、余計な粒を間引き、仕上げる。
 雹害 宮代町のある南埼玉地域は、降雹の被害がやや多い地域である。過去には木がだめになるほどの大きな被害をうけたこともある。しかし、雹の被害は毎年あるというわけでもないので、経費面などから防雹網(ぼうそうもう)は実施していない。
 
七月上旬
 袋かけ バブニ病、ホクト病などの病気から実を守る。時期的には房が赤らみ始めた八月下旬~一〇月一〇日がいい。
 出荷 ハウス栽培を導入することによって、五月出し、六月出し、七月出し、八月出し、露地栽培と出荷時期を長くすることができるようになった。露地栽培だけではお盆前には出荷することはできなかった。

2-16 収穫期を迎えたぶどう