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蚕の病気と予防方法

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 蚕の病気には、オシャレとタレッコがあった。オシャレは硬化病で、蚕体に白い黴(かび)が生えて死ぬ。伝染性があり、蚕が全滅することもあった。タレッコは軟化病で、蚕体から膿(うみ)が出て死ぬ。そのほか、上蔟までは何の異変もなく、繭を作る途中で蚕が死ぬ病気もあった。
 こうした病気は、湿気や桑不足が原因で起こることが多い。湿気を除去するには、室内の換気を十分にし、併せて、逐次ウラ取りを行って蚕座を清潔に保ち、ヤキヌカや石灰を振って乾燥させることが必要であった。また、濡れ桑は蚕座を湿らせる原因となるので、雨天に摘んだ桑は十分に水切りをしてから与えるようにした。