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収繭と選別

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 蚕は、吐糸をはじめてから四、五日で繭を作り上げ、さらに五日ほどで蛹(さなぎ)になる。そうしたら、繭掻きを行った。繭掻きは、マブシから繭を一個ずつ掻き取る作業で、たいへん手間がかかる。そこで、たくさんの蚕を飼育する家では臨時の人手を雇ったものである。
 掻き取った繭は図7のようなマユカゴ(繭籠)に入れ、続いて、毛羽取り機(2-22)に掛けて表面の毛羽を取り除く。こうしてきれいになったものを蚕座紙に広げ、上繭と屑繭とに選別した。毛羽は、半纏やチャンチャンコの中綿として利用された。

図7 マユカゴ


2-22 毛羽取り機