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養蚕の労働力

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 蚕の世話は女性が中心に行い、盆の時期は晩秋蚕の世話と盆の支度が重なるので非常に忙しかった。そのため、女性たちは「盆と正月来ね方がいい」といったものである。
 桑摘みは家族総出の仕事であり、子供も一二、三歳になると手伝いをした。たくさんの蚕を飼う家では桑摘みに臨時の人手を雇い、賃金は摘んだ桑の目方に応じて一貫目単位で支払われた。このときには、子供も小遣い稼ぎに出かけたものである。
 上蔟や繭掻きは短時間に多くの手間を必要とするので、近所の者を手伝いに頼む家が多かった。